オンリーワンスクール推進事業の取組
1 はじめに


   佐渡中等教育学校が「オンリーワンスクール推進事業における研究開発校」に選ばれ、特色ある学校づくりに
 向けて取り組んでいきます。全県で12か校の研究開発校の1校に選ばれたメリットを生かし、充実した活動を展
 開していきます。

2 オンリーワンスクール推進事業とは
  
   児童生徒がより主体的に学校を選択することができるよう、全ての県立高等学校、県立中学校および県立中
 等教育学校が自校の魅力をより一層明確にしたオンリーワンの学校づくりを推進するにあたり、パイロット的な役
 割を担う学校をオンリーワンスクール研究開発校として指定し、取組内容や成果を他校に伝播できる特色ある取
 組を支援することで、本県の高等学校教育および中高一貫教育の活性化に資する。
  (オンリーワンスクール研究開発校 実施要項 趣旨より)

                                                                 取組の様子

3 当校のオンリーワンスクール事業計画

 (1) コンセプト
    
「佐渡」から世界へ大きな波を発信!
       〜 知性・人間性・郷土愛を育みながら、大きな成長へ 〜

 
(2) 現状と課題 
      現在、佐渡島では、少子高齢化が進む一方で、若者層の島外への流出による人口の減少が大きな課題
    と なっている。佐渡で生まれ育った生徒たちではあるが、郷土の伝統文化、歴史、自然に恵まれた環境にあ
    る佐渡の魅力を知ら ないまま島外に出てしまうことも多い。  
      佐渡島で唯一の中高一貫教育校である当校では、6年間のゆとりの中で、確かな学力の定着はもちろん、
    佐渡の魅力に気付かせるとともに、佐渡の抱えている課題についても考えさせ、郷土を愛し地域に貢献する
    態度の育成を目指している。 
      そのため、総合的な学習の時間で「佐渡学(佐渡の自然、歴史、文化を学ぶ学習や体験活動)」を充実させ
    ている。中でも、スクール・カルチャー「能楽」の取組や「トキと社会」研究チー ムの加茂湖水系再生プログラ
    ム事業への参加は当校の特色である。  

 
(3) 取組計画        
   1  スクール・カルチャー「能楽」の取組        取組の様子
    ア 主な活動
      ・総合的な学習の時間に、全校生徒で能楽を学ぶ。謡の練習を通して、伝統芸能「能楽」
       に親しみ、声の出し方や礼法なども併せて学ぶ。
      ・佐渡で行われている本物の「能楽」を見学、鑑賞する。
       ・学習発表会等で「能楽」の謡を披露する。
    イ  年間計画 
      4月 スクール・カルチャー「能楽」と「総合的な学習」の全体計画立案  
      6月 講師を招き、「能楽」練習開始  
         1学年は学級単位での練習、2学年は学年単位での練習
      7月 本間家定例能で、2学年は出演、1学年は鑑賞
      1月 「能楽」練習再開   学年練習、全校練習
       2月 学習発表会で、能楽の謡を発表

    2 佐渡の環境を考える「トキと社会」研究チームの加茂湖再生プログラム事業への参加 取組の様子
    ア 主な活動     
     ・「トキの島再生研究プロジェクト」の中の「トキと社会」研究チームは、地域や行政大学がチームを組み、
      トキ野生復帰と佐渡島の恵みをつなぐ包括的な再生の研究と実践を行っている。この取組に参加し、
      自然再生の研究「加茂湖水系再生プログラム」を通じて、佐渡を愛する心を育成し、環境問題について
      考える。
     ・大学や研究機関と連携して活動することを通して、専門的な学びや研究方法を身に付ける。
   イ 年間計画
      5月 「トキと社会」研究チームと計画案検討
      7月 移動談義所の実施
         *「移動談義所」とは、「トキと社会」研究チームが、トキ、自然、地域のことについて
          ワークショップ形式で意見交換をしながら、考えを広げたり、高めたりする参加型の活動。 
      8月 加茂湖エコウォーク(全校生徒と保護者、「トキと社会」研究チーム合同)
     10月 総合的な学習のコース別体験学習の「環境保全」班が「トキと社会」研究チームの活動に参加
      2月 学習発表会での成果発表

  (4) 担当分掌等  
    1  スクール・カルチャー「能楽」の取組
       総合学習部、学年部
       主担当者 石平 伸一 (総合学習部)
    2  加茂湖再生プログラム事業への参加
       進路指導部(環境教育)、学年部、総合学習(環境保全コース)
       主担当者  河野 理彦 (環境教育)

  (5) 期待する成果  
    1  故郷佐渡の魅力を実感した生徒たちが、将来、佐渡や新潟、日本を担う人材に成長し、地域を支える
     人材となることを期待している。佐渡の伝統芸能である「能楽」を学ぶことは、地域理解と地域貢献につな
     がると考える。国内だけでなく、今後予定されているプナホー学園との交流や国際交流の場でも佐渡や
     日本の文化等を自信をもって発信する力につながると考える。教育目標にある「世界的視野で活躍できる
     人材の育成」につなげていきたい。
    2  大学や研究機関との共同体験実習などを通して、進路に対する目的意識の向上と学習への動機付け
     を図る。キャリアガイダンスとしての一面と研究の進め方やより専門的な学習の仕方を学ぶ機会になると
     考える。また、自然再生に向けた社会的なプロジェクトとして日本の最先端の研究に参加しながら、佐渡
     の環境を見つめ直し、佐渡への愛着と科学的な思考力も高める。


  (6) 評価の方法  
    1 スクール・カルチャー「能楽」の取組を、学校便りや学習発表会等で披露する。その際、生徒自身や参会
     者に感想等を書いてもらい、発表生徒に還元する。生徒自身が能楽を発表たことを通して、佐渡や日本の
     文化を発信する力がついたと感じる生徒が80%を越える。
    2  実施後のアンケートにより、次の数値を目標とする。
     ア 環境保全や産業に関心をもつ生徒の割合が90%以上になる。
     イ 地域貢献としてできることを全員が2つ以上あがることができる。

  (7) 他校への伝播方法 
    1 学習発表会等での成果発表
      ・保護者、地域の方を対象に、総合的な学習の成果を発表する。
    2 報告書の配布
      ・当事業の内容、成果を報告書にまとめ、近隣校や他の県立中等教育学校に配付する。
    3 ホームページを活用し、計画、取組状況、成果等の公開
      ・ホームページでも計画や活動を公開していく。